浦沢直樹氏の同名の初個展のオフィシャルガイドブックなのですが、このボリュームが凄いのです。個展もサービス精神の塊のような内容で素晴らしかったのですが(展示の感想はコチラ)、この本も「これでもか!」という程の充実した内容でファンならば思わず買ってしまうような1冊となっています。なんと浦沢氏が語ったインタビュー記事は14万5千字!常にこちらの期待以上のものを与えて下さる、先生のその愛が惜しみないです(笑)
この10年間で大きく変わった、漫画に対する世界の評価。そして私たちの身近な存在であるが故に、評価されにくかった、漫画という文化。 そんな漫画に対する想いや、クリエーションについて、そして今後の活動について語られていました。浦和直樹先生の「モンスター」「20世紀少年」「プルートゥ」「BILLY BAT」と多くの作品が好きなのですが、作品のバックに流れ続けている思想や情熱に触れられて、ファンのみならず、何らかクリエーションに携わっている人にとって、大きなインスピレーションとなるのではないかなと感じました。本書を読んで、漫画家として、そして1人のクリエーターとして、浦沢直樹氏の今後の旅路がますます楽しみになりました。