暇な女子大生こと、佐田清澄さんのブログで紹介されていたこの本「毎朝、服に迷わない」。佐田さんが服を誉められるのは、この本の御陰です、と紹介されていたので気になって手に取ってみました。
内容は、プチプラでも手に入る具体的な洋服の選び方や組み合わせ方を、丁寧に細かく説明してあって、多くの人達がすぐに取り入れやすい内容となっていました。普段、この本に載っている様な洋服を全く着ない生活を送り、なおかつ感覚で適当に日々の洋服を選んでいる身としましては、「なるほど、そういうルールで組み合わせると、そういうスタイルになるのか!」「街で見かけるあのスタイルは、そういうルールで作られていたのか!」と、眼から鱗の連続でした。
洋服、と一口に言っても、デザインも素材もスタイルも流通も、そこに含まれている文脈は本当にさまざまです。着ているその人がどんな国に暮らしていて、どんな思想を持ち、生活様式や環境、属している社会やコミュニティ、演じている社会的役割‥という大きな部分から、個人の性格、個性、趣向、どういうイメージを作りたいのか、などなど本当に多様な要素が複雑に絡み合いながら反映されています。勿論、こちらの本も、そういった意味では、決して万人に通じるも内容ではありませんが、今の日本で流通している、シンプルな大量生産の洋服たちを、どんな風に組み合わせると「お洒落に見えるのか」という点に絞って紹介されている内容は、私たちの時代的な価値観が反映されていて、とても面白いなと感じました。
この本の中では、「逃げないで!」(お洒落を面倒くさがらないで!)と言われていたワンピースを、大いに愛用している私。シンプルな沢山の洋服たちによる、色んなスタイリング方法は、普段使っていない私の頭の部分が大いに刺激されて興味深かったのですが、自分の思考回路から遠く離れた方法論と、組み合わせることによって増える選択肢の多さに圧倒されてしまい‥。読み終わることには、「お洒落って言われなくてもいいかもしれないな‥」と静かに諦め、そして今日もワンピースを着るのでありました。