私が初めてphaさんの活動を知ったのは、ナリワイの伊藤洋志さんと対談形式の書籍「フルサトをつくる」でした。お二人とも京大出身で、京大はなんとユニークな人が出てるもんだ~!と、とても面白く拝読させて頂きました。
先日たまたま読んでいた婦人公論にphaさん(キムタクさんが表紙だったためか、オフィシャルサイトにも雑誌の画像が出て来ません〜!)のインタビューが載っていたのを読んで、改めてちゃんとこの人の本を読んでみたい!と思い、今回こちらの本「ニートの歩き方」を手に取ってみました。先日読んだ、ちきりんさんも推薦されていますね。
これまでも色々な生き方や働き方などの本を読んできましたが、ここまで開けっぴろげに、そして正直に「だるい」と言う人も、すごいし、いなかったな~というのが、まず第一印象でした(笑)。という私も「だるいな~」とか「向いてないな」「皆と同じに出来ない」と思うことが多かった人生だったので、この正直なボヤキみたいなものは、すぅっと息を吐かせてくれる感じもして、読んでいて何だか不思議な気分になってしまいました。
生きることに憤りを感じていたり、「〇〇でなければいけない」という社会のルールみたいなものに苦しさを感じている人、そして実際にそれが出来ない人は、共感出来る部分がきっと多い内容となっているのではないかな、と思います。昨今さまざまな「働き方」「生き方」などが、日本のメディアやネットで取り上げられているので、以前よりもバリエーションを知る機会が増えたり、ある面では少し柔軟になってきたのかな、という印象を受けます。ただ、フリーランスにしてもニートにしても、ノマドにしても、何となく名前がついてカテゴライズしやすくなった、というだけで、決してその存在は「最新」なわけではなく、昔も同じことをしている人達は存在していただろと思います。ニートの存在が決して新しいのではなく、「その名前を使って、生き方の多様性を自らの言葉で発信出来る時代」が新しいんだろうな、と思いました。
phaさんは「だるい」と言いながらも、興味のあることは進んで自分のペースでされていますし、人付き合いは苦手としつつも、ネットを介した交流を自分のペースで楽しんでいたり、文章表現する才能があったりします。
本書で繰り返しpha さんが語っていること、それは、「色んな人がいてもいいじゃないか」ということ。それは既存の価値観や社会体制を批判しているのではなく、ただただ、この世界に存在しているものや人はすでに世界を構成している多様性の一部だと、そう肯定している様に感じました。2012年出版なので、現在までの5年間にどのようにphaさんの考え方や生活が変わってきたのか、これからも興味深く注目してゆきたいなと個人的には思っています。