何年か前に中央線沿いで美味しそうなお店を探していた際にネットで発見してからというもの、いつか、いつか!と、MY行きたいお店リストに名前を書いております、西荻窪にある「くしま」さん(今年「くしま食堂」から「くしま」へ変わったそうです)。インスタグラムのお料理やライフスタイルの写真は勿論、店主くしまけんじさんの豊かな感受性で切り取られた日常のありふれた風景の美しさ(文章がまたいいのです!)、そしてエネルギーにまつわる考え方や捉え方など、素敵だなぁと常々感じていました。
今回手に取ったレシピ本は、くしまさんでも出しているという55のレシピが贅沢に紹介されています。彩り美しく盛りつけられた写真を見ているだけでも、「綺麗だなぁ、食べてみたいなぁ、美味しそうだなぁ〜(ごくり)」と感じて楽しいのですが、実際に作ってみると、これまた想像以上に美味しくて。簡単に作れるだけでなく、用意する食材の数も多くなく、また食材や調味料は普段のものが多いのに、組み合わせや少し丁寧に扱うだけで、こんなに違うものかしら!とビックリ。作るたびに、新鮮な味や整ったエネルギーのハーモニーに感動感激の嵐でした。「焼いたカリフラワーとカブ、レモンオイル」はイタリアの風が口の中に吹いた様な(笑)綺麗な味に。パンがゆも、トマトのパスタも、ポタージュスープも、本当にどれもが美味しくて楽しくて嬉しくて。この本に書かれていた、くしまさんの料理や素材に対する考え方や思いも、とても素敵だなと、自分もそんな風に料理を日々作りたいなと思いました。
くしまさんのレシピで作っていると、くしまさんは食という媒体を使った、調和のエネルギー作曲家みたいだなぁ、と感じます。このレシピ本は、まるで美しいエネルギー(音楽)を奏でる楽譜みたい。大らかで、自由で、繊細で、シンプルで、優しくて、美しい。そして何より平和だなぁと思うのでありました。形式よりも正しさよりも大切な、ユニバーサルな何かが、このレシピ本にはぎゅっと詰まっている気がしました。英語にも翻訳して欲しいなぁ、是非友達にも配りたいなぁ、と感じました。そして何より、益々お店に伺ってみたくなりました。