世界のアーティスト、オノ・ヨーコさんの本書「今あなたに知ってもらいたいこと」は、JUNICHI OGAWAさんのWebマガジン「Love Unlimited」で紹介されていたのがキッカケで、今回手にとってみました。なぜか片岡鶴太郎氏同様、”先生”とお呼びしたくなります!
本書は、誰もが経験するであろう日常的なテーマをタイトルにして、オノ先生が自身の経験も交えながら、自身の哲学を短い文章でシンプルに、しかし一本筋の通った愛のある「オノ・ヨーコの正義」が語られています。個人的には、年齢について書かれた「歳を重ねる喜び」の章が好きでした。映画「人生フルーツ」の津端修一さん、英子さんご夫婦もそうでしたが、長寿で健康な方は、ご自身の年齢を気にせずに生きているような気がします。
”男女にかかわらず、よく年齢を気にしているのを聞きます。「三十歳になるのは嫌だな」とか、「もう、四十歳だなんて」という言葉を耳にします。
「君は二十五歳なのか、もう若くはないね」と男の人に言われたことがあります。もうずいぶん昔の話です。
ジョンは歳を重ねるたびに教養や気品がにじみ出る女性に魅力を感じると言っていました。
「ヨーコが四十か五十歳になったときが楽しみだな」と言っていました。
「ヨーコはまだちょっと若すぎるけど、まあいいか」なんて言われていたのでずっと楽な気持ちでした。そういうジョンの態度も影響していたのか、七十になるまで歳のことは全然考えていなかったのです。
ですから、六十歳になったときも、「あなたも六十歳ですね」などと人から言われても、「あれ、そお?」なんて、ぐあいでした。”
逞しく時代を生き抜いてきたオノ先生ですが、パートナーのジョン・レノンが目の前で射殺された時のことや、その経験からどのように立ち直ったのかが書かれていた章「Bless You」の章も、とても普遍的なメッセージに昇華されていて素敵でした。オノ先生が、一人の人間として大切にしていることや、壮大な夢はとても美しく、「人生色々あるけれど、共に生き抜きましょう」という力強いエールは、とても励まされました。