“2014年、ある男の死が大きな話題を集めた。
長年、清掃員のパートとして働いていた人物だ。
この平凡な男は、800万ドルもの資産を残した――。
なぜ彼はこれだけの富を築けたのか?”
本書のカバーに書かれていた上記の問い。
一体、富を築くために、どんなことが必要なのか?
いわゆるスピ的なエネルギーの法則ではない、お金にまつわる視点が知りたくて手に取ってみた本書でしたが、読んでみると、それはそれは至極真っ当で堅実的な内容でした。
人間が持っている欲望や、時として判断がおかしくなってしまう習性などを客観的に指摘しながら、長期的な視点で資産を築くことを薦める筆者は、目先の欲望に踊らされずに貯蓄率を上げることを読者に薦めています。
収入が上がるたびに生活水準や支出を上げ続けたり、努力の先に何かを手に入れても、更なる目標を次々と上げ続ければ、いつまでも満足感の薄い状況を引き起こしてしまうことを指摘し、この資本主義のレースで ”戦わない”ことを推奨しています。
「幸福とは?豊さとは?お金をたくさん得るには?」という問いに対して、何かマジカルな答えを求めている人にとっては肩透かしを食らったような気分になるくらい、本書が提示している回答は大変現実的で、どんな経済状況の人でも始めやすいシンプルなアイディア。
そして「お金をたくさん稼ぐ方法」ではなく、「お金持ちであり続ける方法」が紹介されていました。
本書の根底にある、「不確かなこの世界を生き抜くためには、欲望の奴隷にならず足るを知り、貯蓄を増やして選択の自由を得て、人生を守ろう」という提案は、あくまでもお金の価値が現在同様に機能し続けた世界でのみ可能なのだろうと思います。
果たしてこれから先の世界がそうあり続けるのか否かは、もちろん私なんぞには分からないことですが…!
兎にも角にも「目的のない貯蓄はオススメ!」という視点が、個人的には新鮮で面白かったです☺️
サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット
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▶︎ 本書を読んで思い出したのは二宮尊徳さんの報徳記。
堅実&コツコツが時代に左右されず、真面目に確実に生きる道、なのでしょうか…!☺️
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