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064. 愛をみつけたうさぎ

7月 15, 2018

先日観たドラマ「星から来たあなた」が面白すぎて、その中でキム・スヒョンさんが演じる主人公ト・ミンジュンが読んでいた本「愛をみつけたうさぎ」がどうしても気になってしまい、今回手にとってみました。

児童文学なので文字も大きく、そして綺麗な挿絵も多くてサクっと読めてしまいますが、内容は子どもだけに限らず、大人も楽しめる普遍的なテーマをそっと優しく、うさぎの人形エドワードに乗せて届けてくれます。エレガントで自分のことだけを愛していたうさぎの人形エドワードが、旅を通してさまざまな人達と出会い愛を学んでいくのですが、ストーリーの最後は思わずホロリとなってしまいました。そして、この本を読んでいたドラマのキャラクターであるト・ミンジュンの心情や、「星から来たあなた」のストーリーとも繋がっていて、ドラマが好きだった私には大変楽しめる内容でありました。

 

“これまでの短い人生におきたできごとを、エドワードはすべて思い返してみた。1世紀ものあいだ生き続けたら、どれほどいろんな目にあうだろう?

「今度はどんな人があたくしのとことに来てくれるかしら?かならずだれかが来てくれる。いつもそう。どんな人か楽しみだわ」

「だれが来てくれるかどうかなんて、興味ない」エドワードはそっけなくいった。

「ちょっと待って。そんなふうに思うなら、生きつづけていたってなんの意味もないじゃない。それじゃだめよ。心のなかを希望でいっぱいにしなくちゃ。わくわくして待つの。今度はだれが愛してくれるのか。だれを愛することになるのか、楽しみながら待つのよ」“

 

この人形同士の会話が、とても印象的でした。

 

愛をみつけたうさぎ―エドワード・テュレインの奇跡の旅
愛をみつけたうさぎ―エドワード・テュレインの奇跡の旅
▶韓国ドラマ「星からきたあなた」が好きな人で未読の方には、特にお薦めです!ドラマに出てきていた本書の言葉の意味が、「なるほど!」とより深く味わえます♪

 

星から来たあなた Blu-ray SET1
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062. 11分間

6月 15, 2018

 

本国ブラジルでは教科書にも作品が載っているという世界的にも有名な作家パウロ・コエーリョ氏。以前読んだ彼の「アルケミスト」や「ピエドラ川のほとりで私は泣いた」が大好きだったので、マーマーマガジンのセックス特集で彼の「11分間」が紹介されていたのを見つけたときには、迷わず読んでみたい!と思いました。

本作は娼婦となった主人公マリーアの人生における愛と性の物語なのですが、彼女が幼少期や思春期に経験した愛や性の体験が、その後の人生のさまざまな選択に大きく影響を与えていく様子や、なぜ娼婦になり、どんな風に自分を律しながら日々を過ごしているのか、その時々の彼女の心理描写がとても丁寧に描かれているので、同じような経験をしていない読者も、普遍的な1人の人間としての葛藤、孤独、渇望などに、親近感を抱きやすい内容となっていると思います。途中何度も出てくるマリーアの日記の内容や、娼婦として働きながら気付く発見、人々と交わすウィットにとんだ会話の仕方からにじみ出てくる、彼女の知性も個人的に素敵だなと感じました。様々な出会いや経験を通して、1つ1つ過去を許したり自分を開放し変わってゆくマリーアの様子から、人は「何処で何を経験するのか」よりも、その経験から「何を学ぶのか」のほうが重要なのだということが伝わってくるようでした。

正しさや間違いもなく、また正義も悪もない世界の中で描かれた、人生の「光」の部分や、セックスが持つ「聖なる部分」はとても美しく、決して読者を裏切らない物語の結末は、読者の気分を最高の場所へと連れて行ってくれます。更に本編を読み終わった後に、あとがきに書かれている本書制作の経緯や背景などを知ると、更にストーリーに奥行きが出て満足感がアップします。さすがパウロ氏、読者がどうすれば喜ぶのかをちゃんと知っています!

 

 

11分間 (角川文庫)
11分間 (角川文庫)
▶マニュアル化された体位や挿入という「形」じゃない、パウロさん流の聖なるセックスへの誘い。主人公マリーアの内的成長の物語でもあります。サクっと読みやすく、読後感も良い恋愛小説。

 

ピエドラ川のほとりで私は泣いた (角川文庫)
ピエドラ川のほとりで私は泣いた (角川文庫)
▶「 久しく恋愛をしていない‥」「自分の気持ちに素直になりにくい‥」そんな心をフワっと優しく包んでくれる様な物語です

 

051. ふたご

5月 13, 2018

最近ひょんなことから知ったSEKAI NO OWARIの音楽。食わず嫌いだったのが、一気に彼らの音楽が持つ独特な魅力に惹かれてしまい、彼らのことがもっと知りたい!と今回手に取ったのが、メンバーのSaoriさんが本名藤崎彩織さん名義で書いた小説「ふたご」。実体験をベースに書かれた小説であると言われている本書の内容は、ヴォーカルのFukase さんとSaoriさんのこと??と想像せずにはいられない内容なのが、セカオワルートから入った読者としてはたまりません。初作品とは思えない程上手な文章でとても読みやすく、一気に読んでしまいました。

この物語に出てくる主人公夏子と月島の二人の関係性は、俗にいう、好きだ恍れた、愛してる、つき合おう、別れよう、という若いカップルの恋愛のお話ではなく、多感な時期に出会った感受性豊かで繊細な2人が、プラトニックなまま境界線が危うくなるほど、互いの存在が自分の命のように繋がってしまった後、この世界で互いを生かし合いながら、一緒に生き続ける方法を、摸索していく愛の物語のように感じました。既存の社会的関係性の名前が付けられない特別な2人の関係性。周囲の人達の眼には理解しがたく、時には奇妙にさえ見える関係性。(本書の感想を検索したら、何故「ふたご」なのか理解できないという感想も多くて、びっくり!)お互い大切なのに、あまりにも大切すぎて大切にする方法が分からず、時に深く傷つけ合い、一緒にいることさえ苦しくなってしまう。自分達でもどうしたらいいのか分からない程離れがたく、魂が結びついてしまった関係性。

本作に書かれた内容すべてが本当にあったエピソードかどうかは永遠に秘密だとは思いますが、「実話をベースにした小説」として、わざと読者に「これって全部本当にあった話かな?」と興味をそそらせたり、想像を楽しませるエンターテイメント作品だと感じました。最終的にSEKAI NO OWARIのファンタジーへと回帰して行く装置として機能している、面白い小説です。

世の中の「普通」というレッテルに収まらない2人の関係性が、その後どのようにこの世界で生き抜いてゆくのか。いつか何十年も先に、この「ふたご」の続きのストーリーが読めたらいいなぁ、とそっと期待してしまいました。

 

 

ふたご
ふたご
▶ 愛って何?主人公夏子と月島の二人が辿り着いた現在進行形の答えは二人にとっての正解であり、そこにはハっとする美しさが宿っていました。

 

SEKAI NO OWARI―世界の終わり
SEKAI NO OWARI―世界の終わり
▶ 公式ヒストリーブックではSEKAI NO OWARIメンバー4人の生い立ちも!

 

012. マチネの終わりに

7月 10, 2017

 

本当に、久しぶりに小説を読みました。私にとって平野 啓一郎さんの作品は今回が初めてです。以前、この作品がnoteで連載中の頃、よくコルクのツイターから流れて来ていたことで知ったのですが、その時イラストを担当されていた石井正信さんの絵が毎回とても印象的でした。

 

 

 

当時さくっと読んだ際、イラストのイメージも手伝ってか、そこにあった文章の難解さと湿度が私には少し重たく感じられてしまい、リアルタイムで連載を追いかけることができなかったのを覚えています。

その後書籍化されて暫く経った頃に、ふと立ち寄った本屋さんでこの本を見かけたのですが、その美しい装丁にうっとりしてしまいました。このありそうでなかった、2色使いのシンプルかつ大胆で洗練されたデザインに強く強く心惹かれ、思わず本をレジに持って行ってしまいました。後で知ったのですが、連載当時イラストを描いていた石井正信さんがブックデザインも手がけられたとのこと。これまた彼が持つ表現力の奥行きの深さに感動してしまいました。

本書を読み終わった私の感想としては、まず、「こんな綺麗な物語、読んだことがありません〜!」でした(笑)note で読んだ際に感じた、あの、じとっとした湿度や重さは、印刷された本からは感じられず。つくづく、レイアウトや媒体、フォントや縦横書き、デザインなどなどが、読み手へ与える影響の大きさを考えずにはいられませんでした。デザイナーの石井正信さんもそこを理解して敢えて、デジタル配信時と書籍化の際、別々のアプローチで制作されている様子をインタビューで語られていました。

とにかく、文章も話の内容も装丁もとても美しい本です。私にとっては、映画「君の名は。」や「ララランド」と同じように、私たちの中にある「ステレオタイプ」や「現実に対する思い込み」「諦め」のようなストッパーを外して、「望めば君もこんな風に美しく生きる事は可能なんだよ」という作者の強い、意図を感じました。

そして装丁の2色の色から、メインキャラクターの二人の距離感を、絶妙に表しているように感じました。同化したり色が混じり合うわけではなく、異なる人生を歩んで来た自立した二人が惹かれ合い、そのままの状態で、そっと重なる様子が、美しい(笑)

多くの人が、どこかで、経験しているかもしれない「何も起きていない」けれど、確かに「起きている」こと。無かった事にしてしまうくらい、とても繊細なこと。ただ「出会ったこと」それ事態が持つ大きなインパクト。そして人が惹かれ合うのに必要なものは、いったい何なのか。繊細な、眼には見えない、人の心の内側で起きている動き。本書の登場人物達の様に、こんなに大量の思考や感情があふれている人達も、もしかしたらそう多くないのかもしれませんが(笑)それでも、彼らの内側で起こっている出来事は、多くの人達の中に眠る「何事か」を呼び覚ましてくれるには充分すぎる程美しく、人生を豊かに彩ってくれる美しい絵の具の様な、そんな本だと感じました。

他の人もレビューで書いていましたが、手元に置いて何度も読みたくなる美しい本だと思いました。

 

 

マチネの終わりに
マチネの終わりに

 

平野 啓一郎
毎日新聞出版
▶ 大人の綺麗な恋の入り口はコチラ

 

道ありき―青春編 (新潮文庫)
道ありき―青春編 (新潮文庫)
三浦 綾子
新潮社
▶昔読んだ、もうひとつの美しい愛の形

 

006.一族の書:アナスタシア ロシアの響きわたる杉シリーズ6

5月 04, 2017

 

待ってました!の、アナスタシアのシリーズ6冊目。本書の作者であるウラジーミル・メグレ氏がタイガの森で出会った不思議な女性アナスタシアによってもたらされた、様々な叡智についてのお話。本国ロシアでは既に10冊が出版されている中、日本ではやっと6冊目が今年4月に発売されました。これまでも色々な経緯があり、出版社が度々変わって来ていましたが、監修の岩砂晶子さんがご自身で立ち上げた出版社に落ち着いた模様でございます。6冊目もとても内容の濃いものとなっていました。

作者のメグレ氏が初めて自分とアナスタシアの子供と交流するシーンや、結婚の儀式について、アナスタシアが語る遥か昔の人類の歴史、「神官」と呼ばれる存在が人類に及ぼし続けて来たもの‥。1回読んだだけでは正直全てを飲み込むのは難しい程、情報量が多く盛りだくさんです!(嬉しい悲鳴です)個人的には、前回の「アルクトゥルス人より地球人へ」や、同作者による他の宇宙人とのチャネリングシリーズを読みながら浮かんで来た疑問と、今回やこれまでのアナスタシアに書かれていた宇宙人に対する内容が、不思議な形でリンクしていて、ぎょぎょぎょ‥。(これについては、また別の機会に考察をしたいものです)

アナスタシアシリーズを読むと、描かれているイメージの内容がとても美しく、これから作ってゆきたい、未来創造にとても良い刺激を受けます。新しい美しい夢は、私たちに沢山のインスピレーションと希望を与えてくれますが、私たちが「持っていない」ものや、まだその美しい夢に追いついていない目の前の現実を悲観的に捉えてしまうと、その美しく純粋なヴィジョンにも、濁りがうまれてしまうように、個人的には感じています。覚えておきたいなと思うのは、決して今私たちが何処に居て何をしていても、何を持っていて持っていなくても、これまでの人類が歩んできた過去でさえ、何も「間違い」ではないのだということ。せっかくの美しい夢は、「否定」や「批判」「喪失」「失望」「怒り」の上に描くのではなく、すべてを肯定した上に、是非描いていきたいなと思いました。

 

一族の書 (アナスタシア ロシアの響きわたる杉シリーズ)
一族の書 (アナスタシア ロシアの響きわたる杉シリーズ)
ウラジーミル・メグレ
直日
▶ 今回もディープで面白いです!「こうであったらいいのに」という、心の中に眠っていた想いや、懐かしいイメージがわき上がってきます。既に内に持ていたものを思い出す、そんな不思議な感覚になります。

 

アナスタシア (響きわたるシベリア杉 シリーズ1)
アナスタシア (響きわたるシベリア杉 シリーズ1)
ウラジーミル・メグレ
ナチュラルスピリット
▶ アナスタシア未体験の方はまずコチラから是非♪ Kindle Unlimitedで1〜3巻まで読めます(30日間無料)

 

ponponhimiko

本はまるで旅のようです。それぞれが残した人生という旅の足跡。同じ時代を生きる人も、もうこの世にはいない人も、本を通して時空を超えて交わってゆく。彼らの目を通して見た世界の姿は本当にカラフルで、世界の多様性の美しさを教えてくれます。本が集まる場所が好きで、ジャンルは雑食ですが、スピリチュアル色強めです。

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