雑誌「暮らしのおへそ vol.20」でインタビューが載っていた女優の室井滋さん。パートナーとの生活のお話も興味深かったのですが、最も私を驚かせたのは、室井さんが絵本を書いていらっしゃるということでした。一体どんなお話なのかしら??と興味がムクムク湧いて来たので、今回手に取ってみました。
実は特に絵本を読もう!と意識している訳では無いのですが、絵本を読む機会が今年はとても多くありました。子どもの頃は、絵本は特別あまり好きだった記憶はないのですが、大人になって改めて、短い文章と、絵のビジュアル言語を使用した、子どもでも楽しめるようにと意識した媒体である「絵本」だからこそできる表現がそこにはあり、とても興味深いなと、感じています。
———————- ねぇ、お母さん わたし、じぶんの名前、キライ! もっと かわいい 名前に かえてよ。 (本文より) ———————- 「しげる」という名前の女の子が、自分の名前と向き合っていく姿を描きます。 子どもの「名前」にこめられた親の深い愛情が見える、笑って泣いて元気が出る絵本。
シンプルなお話の中に、こども目線の笑いや可愛いらしい表現がキラリと輝き、そして最後はほっこりと温かいものが残る素敵な作品でした。更に長谷川義史さんが描いた「しげちゃん」の絵も、室井さんが書くお話にとてもピッタリで、唯一無二のカラフルな世界観を共に作り上げています。
私自身も、最近改めて自分の名前が持つ意味や、あらゆるものに付いている「名前」にとても興味を持っていました。名前の背景にある、言語の成り立ちや、音が持つエネルギー、そこに込められた想い‥。それらは万物たちの魂と重なり、共に生き続けてゆく、「命」の様に感じています。