2014年〜2016年にかけて、多感な時期を過ごす中高生に向けて刊行した、ちくま評伝シリーズ「ポルトレ」。HPにはこんな想いが書かれていました。
”あなたはだめな人間なんかじゃない。
情報でむすばれた世界はたしかに狭くなったけれど、憧れや目標はだれも教えてくれないし、見つからない、そう思っているかもしれない。
大人はみんな、どこか窮屈そうにしていてお手本を示してくれないから、あなたは自信が持てなくて、戸惑っているだけ。
そんな、大人と子どもの間で立ち止まっている中高生に向けて、ポルトレを創刊します。
ポルトレとはポートレート、肖像。
あなたと同じように、悩んで、戸惑って、たくさん失敗して、だけど自分の人生を自分の力で切り開いていった、世界中の人たちの姿をポルトレは写しとっていきます。
いまは、自分を肯定できないかもしれないけれど、わたしたちはあなたを未来そのものだと思う。
だから、あなたの人生をほんの少し前へ進めたい。”
今回私が手にとったのは、現代音楽家・武満徹さん。以前彼の本は何冊か読んだことがあったのですが、本書は彼の作曲家人生をコンパクトかつライトに、とても読みやすくまとめてありました。元々中高生に向けて、人生のインスピレーションとなるように、というコンセプトで作られたシリーズなので、引用された武満さんの言葉も分かりやすく、音楽や芸術関心のある人にとって、興味を刺激する内容となっています。このような本を若い頃に読めていたら‥!とても羨ましく感じました。