あれから江原啓之さんの本は沢山読んできましたが、今回本書「守護霊」を手にとってみて、これまでスピリチュアルにまつわる多くの本を、様々な切り口で出版してきた江原さんが、このようなストレートに「守護霊」を語った本が昨年まで出版していなかったということが、まずとても不思議に感じられました。それと同時に、長年スピリチュアルカウンセラーとして経験を積み重ねてきた今だからこそ、やっとこの様な本を書くことができたのかもしれないな、とも感じられました。
スピリチュアルなことに興味のある方でしたら「守護霊」は、恐らくなじみ深い存在かもしれませんが、改めて彼らが私たちにとってどんな存在であり、どんな仕組みの上に成り立っているのか、ということをきちんと語れる人は、恐らくほとんどいないのではないでしょうか。この江原さんの本を読んでみても、はっきりと「守護霊とはこういうものです!」と言い切ることは、恐らく誰にも言えないのではないかしら、そんな捉えがたい存在なのではないかな‥と、私は感じました。だからこそ、このような形で体系化された本書は、現代の日本のスピリチュアル界の信念体系を表すといった意味でも、とても貴重な本であり、恐らく書くのがとても難しかったであろう、江原さん渾身の1冊なのではないかなと感じています。
個人的に面白かったのは、江原さんがイギリスと日本で見た未浄化霊の種類にも文化的な違いが見られた、ということ。そして、下記の言葉でした。なるほど!と思い、自分の中にあった、未浄化霊に対する意味の分からない恐怖心というのも手放すことができた気がします。
まるで未浄化霊を特別な存在のように思うかもしれませんが、肉体があるか、ないかの違いだけで、あなた自身も未浄化霊なのです。あなただってたましいを磨く浄化の旅の途中です。肉体の死を迎えても、浄化の旅はあの世で続きます。
江原啓之さんの存在によって、日本で広く知らることとなった「守護霊」という存在たち。本書に書かれている内容は、江原さんが誠実にスピリチュアリストとしてご自身の仕事と向き合ってきた30年間の叡智がたっぷりと含まれています。決して「すべてを守護霊まかせにして、楽して幸せになろうとすること」を推奨しない、江原さん流のまっすぐ生きる姿勢が貫かれているところも、近年更に多くなってきている「すぐに効率よく望む結果や効果を、楽に求める」スピリチュアル系の本とは一線を画しています。「守護霊」に興味のある方も、スピリチュアルに興味のある方にも、お薦めの貴重な資料となる一冊です。