先日読んだ「バレットジャーナル人生を変えるノート術」に出て来た、「これは水です」。
もともとは2005年にケニオン・カレッジの卒業式で行われた、作家デヴィッド・フォスター・ウォレス氏によるスピーチが、本となったものだそうです。
同年にスタンフォード大学で行われた、スティーブ・ジョブス氏の卒業式スピーチも有名ですが、2010年タイムス誌によって全米第1位に選ばれた卒業式スピーチは、なんとこのデヴィッドさんのものだったそう。
スピーチはYouTubeでも見れる(英語)のですが、文字(&日本語)でも読んでみたくなり、今回こちらの本を手にとってみることにしました!
”「来る日も来る日も」がほんとうは何を意味しているかを、あなたがたはまだご存じない。そこにあるのは、退屈、決まりきった日常、ささいな苛立ちです。
そこから自由になるためには、「なにをどう考えるか」をコントロールするすべを学ぶこと。
そして頭の「初期設定(デフォルト)」をリセットすること。”
個人的な経験から言うと、この「頭の初期設定をリセットする」だけでは、次第に人生そのものもリセットしたくなってしまう、と思うのです‥。
というのも、マクロの視点だけが発達してしまい、次第に人生そのものの意味が喪失したり、すべてが無味無臭に感じられるようになり、生と死の間のボーダーが危うくなり、死が近く感じられるようになってしまう‥‥ということが起きると思うのです。
‥と思っていたら、デヴィットさんはこのスピーチの3年後に自殺されていたのですね‥。
人生を楽しく生きるには、自分の「頭の初期設定」に気づくことは、とっても大事だと思うのですが、その先に、自分が何を感じ、何を望んでいるのかを知ることや、いかにその「初期設定」である自分の観念(信念体系)を、望むものに意図的に書き換えていくか、ということも、大事なのではないかなぁと、個人的には感じています。
更に、自分が気に入る、生きる希望が持てるような「世界観」を見つけることと、「夢」をもつことも..。
これは水です-デヴィッド・フォスター・ウォレス
▶個人的には読みながら、西洋哲学書を読みあさり、鬱々とした生活を送っていた自分の学生時代のことを、ふと思い出した1冊でした(^^;)
論理哲学論考-ウィトゲンシュタイン
▶読みながら、ウィトゲンシュタインの「論理哲学論考」を思い出していたら、デヴィットさんの初小説の邦題は「ヴィトゲンシュタインの箒」で、なんとウィトゲンシュタインの弟子を曾祖母にもつ女性を主人公にした長編小説だそうです!