まだ服部みれいさんをちゃんと知らなかった何年も前のこと。たまたまで手にとった雑誌・mur mur magazine for men の創刊号に載っていた「不食」特集には、心底ビックリした記憶があります。既にアナスタシアを読んでいたので、人間には食べなくても生きてゆける力が内在しているのだろうなぁ、ということは知識の上では想像できていたのですが、それでも、実際に現代を生きる「不食」を実践している方々のリアルな記事内容は衝撃的で、まだまだ当時の私の意識は追いついていませんでした。
「不食」で有名な方は何人もいらっしゃいますが、今回手にとったのは弁護士である秋山佳胤さんの1冊。不食、と言われていますが、実際にはプラーナ(大気に充満した「気」みたいなエネルギー)を食べて生きていらっしゃるので、厳密には「不食ではない」とのこと。
本書を通して秋山さんは、決して「不食」を薦めているわけではなく、「健康のために食べなくてはいけない」「食べないと生きていけない」といった思い込みによって狭めているかもしれない、私たちの潜在的な可能性を、ご自身の様々な体験談と一緒に紹介されていました。そういえば、ヨガナンダ氏の師であるスリ・ユクテスワ氏も、「高い観念界に住むほぼ完全に誓い解脱に達した魂たちは、至福のマナ以外には何も食べない」と語っていましたっけ‥。ヨガナンダ氏の本には、56年以上食べ物も飲み物もいっさい口にしていない女性ヨギ・ギリバラさんも紹介されています。
あたりまえと言われている食事を取っていなくても、元気に幸せに生きている人がいるということ。本書を読んで、私たちが飢えているのは「食べ物」そのものではなく、「愛」なのかもしれない‥と、改めて感じました。「不食」という経験を通して秋山さんが語っていたのは、共生や平和といった、しなやかな生き方でした。
だから「食べてもいいし、食べなくてもいい」という意識を持つこと。ニュートラルな意識こそ、最も自由でリラックスできる状態です。
「人間が霊であることを証明するためでございます」彼女の顔は英知で輝いていた「人間は、霊的に向上するにつれて、しだいに、食べ物ではなく”永遠の光”によって生きられるようになるということを証明するためでございます」
「あるヨギの自叙伝」第四十六章 断食五十年の女ヨギより
不食という生き方 – 秋山 佳胤
▶健康って何だろう?無駄な言葉がなくシンプルで読みやすかったです
神々の食べ物 ― 聖なる栄養とは何か
▶秋山さんの本でも紹介されていた不食で有名なオーストラリア人のジャスムヒーンさん
murmur magazine for men(創刊号)-服部みれい
▶マーマーマガジンの不食特集はコチラより!