タロットカードを使って自分自身との対話を深め、潜在意識に隠れている己を発見してゆくための様々な方法が提案されているワークブック。翻訳は西洋占星術研究家の鏡リュウジ先生。本書はA4サイズで、ワークの種類もとても豊富!充実したボリュームと重厚な情報量とワークの種類に、作者のメアリー・K・グリーアさんの深いタロット愛は勿論、何だかとても波動の高い本だな‥と感じていました。それもそのはず、なんとメアリーさん、このワークブックを20年かけて書き上げたそうで、緻密に練られた丁寧な構成も、なるほど納得です!
「タロットカードとは何か?」「どうやってカードを選ぶの?」「タロットの浄化方法」「どのように質問するの?」全くのタロット初心者でも気負いせずにスタートできる基礎となる情報から、よく使われるケルティック・クロス・スプレッドにまつわる歴史的背景、そしてホロスコープ・スプレッドやマンダラ・スプレッド、チャクラ・スプレッド、「生命の樹」スプレッドなど、タロット好きにはたまらないカードの引き方が丁寧に説明されていました。付録に付いていた、大アカルナと小アルカナのそれぞれのカードが持つ、複数以上の解釈(作者の視点も含む)もとても面白く、タロットの世界観を奥行きをしみじみ感じました。
人生を大きな視点で捉えることを助けてくれる「一生涯のイヤー・カード・グラフ」や、次の5年間の計画を立てる「ファイブ・イヤー・ファンタジー・スプレッド」などもやってみてとても楽しかったです。それぞれのワークは、本書に直接書込める欄がちゃんと用意されているので、その手順に沿って書き進めていくと、自然と分析できるようになっています。まるで傍で静かに、作者メアリーさんが見守ってくれているような、安心感も(笑)
多様な角度から自分自身や状況を見つめる視点を持つ事を穏やかに促してくれ、自分が本当は何を求めているのか?それを探って行く楽しさを教えてくれました。そして何より、私たちは沢山の可能性を持っているのだということを、静かに教わって気がしました。本書の魅力は、実際のワークを通して、自分の中に眠る宝物を探す経験が得られるということ。人生という旅の途中に、1人で自分を深く見つめたいときに使える、有効な1つのツールだろうと思いました。