長年読んできたアナスタシア・シリーズの最新刊を、遅ればせながらやっと手に取りました。
本国ロシアや英語版は、かな〜り前に全10巻が出版されている本シリーズですが、ここ日本においては監修者が大切に翻訳されている背景から、出版されるペースが非常にゆっくりなのが特徴的です。
かなり強めの思想とイメージが練り込まれた本作ですが、ゆっくり出版ペースのお陰でズブズブにのめり込むことが抑制され、適度な距離をとって本作のエンタメ性やファンタジー性を楽しむことができます。
本書では、現ロシアにかつて存在していたという古代民族による受胎や愛の営みに纏わる伝統的慣習が、強いイメージと共に紹介されていました。
アナスタシア・シリーズはこれまでも度々そうであったように、今回もまた読み進める度に、憧れや羨ましさ、欠乏感など、様々な感情を私の中に引き起こしてくれました。
レムリアとかアトランティスとか、かつて私たちよりも宇宙的な知識を色濃く保持していた種族が存在し、様々なレベルで今よりも高い文化や生活水準をキープしていた、というエピソードは、色んなスピ系界隈で長らく語られて来た内容の一つ。
それらのイメージが纏っている光は、未来を作る種になりうると同時に、今現在の目の前の生活をくすませる魔力をも内包しているようにも感じます。
「ここではない、美しく完璧な何処か」へと私たちを突き動かす強力なイメージたちは、一見すると華やかで明るい希望の光の様です。
しかしこれまでの歴史から学ぶならば、例えそれがどんなに素晴らしく美しいイメージであったとしても、多様性を否定した画一性の世界の先には、おそらく、滅びが待っているのではないでしょうか。
前作を読んだ時にも感じたように、ユートピアと幸せと自由は同義語ではないだろうなぁ..ということを改めて考えたいなと思いました。
『アナスタシア ロシアの響きわたる杉』シリーズ8巻 新しい文明(下)〜愛のならわし〜
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”最近、やっぱりコレだな~と思うんです。
1)誰しもが、大統領であれ、殺人鬼であれ、例外なくすべての人には
「愛されたい」という想いが言動の根源にある。
2)「生きている」ことを実感したい
3)各々の「正しさ」の中で、上記の2つを表現している。もーこれに尽きるわ~。
至ってシンプルぅ。ただ、
3)の「各々の正しさ」ってのは百人百様。
だから「自分の解釈だけが正しい」し、「その解釈しか存在しない」
と思い込んでしまうと
生きるのが苦しくなっちゃう。”引用:監修の岩砂晶子さんの日記 (2023年4月30日)
アナスタシア―ロシアの響きわたる杉シリーズ1〜8-1巻
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これまでのアナスタシア・シリーズ本に対する私の感想は
1巻
2巻
4巻
6巻
7巻
8-1巻
(何故か3巻&5巻の感想が抜けてますが‥)