50歳を迎えて、これからどうやって生きていけば良いのか迷っていたという小泉今日子さん。そういう人はきっと自分だけではないだろうと思ったことが、先輩女性たちに大人の生き方をインタビューする本書「小泉放談」の企画動機だったそうです。
対談相手は様々な分野で活躍している25名の女性たち。キョンキョンと普段から仲が良いことで有名なYOUさんからスタートし、小説家の江國香織さんや、吉本ばななさん、女優の樹木希林さん、漫画家のいくえみ綾さんなど、そうそうたる面々が並んでいます。そんな中に美輪明宏さんや小池百合子さんが入っているところも、さすがキョンキョン!
キョンキョンだからこそ引き出すことができたインタビュー内容は、多種多様で面白く、そこには誰一人として同じ人生なんて無いのだという当たり前の事実を、私に改めて教えてくれました。1人1人の人生経験に基づいた言葉たちは、50年以上生きて来たからこそ出てくる、重みとあたたかみのある生きた哲学で、1人の女性として、人として、読んでいてとても励まされました。
年を重ねるということ、生きていくということ、そして女性性(これは肉体の性別に関係なく、誰もが持っているそう)は、なんて美しいのだろうかと思いました。愛したり、迷ったり、悩んだり、傷ついたり、死にかけたり。何かを得たり、何かを失ったり、求めたり、手放したり。そういったもの全部が愛おしい人生の一部だということ。キョンキョンが持つ緩やかで優しい眼差しと共に綴られた、力強く「生きること」を肯定した1冊でした。こんな素敵な人生の先輩たちがいらっしゃるということを、キョンキョンを通して知ることが出来て、本当に心強く、そして嬉しかったです。
年を重ねながら、人生の途中でまた改めて読み返してみたいなと思いました。きっとその時々によって、この本から受け取れる宝物の種類も変わってくるのだろうなと思います。ずっと手元に置いておきたい、そして人生で何度も味わってみたい、そんな風に感じた1冊でした。